first love【完】


なにが咲希をそんなに悩ませていたのか…俺はまだ知らない。


…*…*…*…*…*…*…


病室の咲希は昨日の熱で赤いのとは違い、青白い顔で痩せて見えた。


実際、夏よりも体つきが細くなったと、昨日抱えた時に思っていた。


でも、ちゃんと上体を起こし微笑んでいる咲希をみたら、ホッとした。


しばらく、大会の話をして、もうすぐ文化祭もあるねとか、テスト勉強とか、いろんな話をした。


6時になり咲希に夕食が運ばれて、俺も帰ることにした。


「明日からまた、練習
始まるから、放課後はくるとしても
七時過ぎかな~
メールはするから、携帯、ちゃんと
充電して枕元、わかった?」


「うん、わかった。
今日は疲れてるのにありがとう。
お陰で元気でたから。
私も、メールするね。」


…*…*…*…*…*…*…


3年が引退し、初ミーティング。


火曜の昼の部室内はなんとも言えない空気。


「よしっ、始める。
まず、部長だが…佐竹っ!お前だ。」


「ハイッ」「おぉ~」同時に声が沸き上がる。


「次…キャプテンだが…中野っ!
頼んだぞ!!」


「へっ?…俺っ…!?……あ、ハイッ」


本人は全く予想してなかったのか、へんな声を出してたが、監督の人選はチームの総意 だった。


これからの1年…勝負の年だなと、思った。


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