first love【完】

『傍に居る』竜斗side



月曜の夕方に咲希の病室から出ると、少しだけ離れたところに警官が一人立っていた。


咲希のストレスって原因は何だろう…。


そういえば先週半ば、義希から『自分のファンや告白してきたやつらはちゃんと管理しとけよな』と、怒りのメールがあり、理由ってか何でかを聞いたけど返信はなかったんだ。


なんか、誰かが咲希をいじめたみたいな?


俺が大会だったから相談出来なかったのかも。


明日聞いてみよう、そう思いながら眠りについた。


…*…*…*…*…*…*…


翌日19時過ぎ、病院の咲希の個室内はかなりの人数。


そして、重い雰囲気。


「あ~、君が…桜井、竜斗君だね?」


「あ…はい…そうです、けど…」


「今から自己紹介も含め、
咲希さんのことについて
話すから。質問は
その後受けるし、こちらもさせてもらうよ。」


黒のスーツ姿のがっしりタイプの男性がそう話し、隣のやはり黒の、パンツスーツの女性が「じゃ、私から…」と話し出した。


「桜井君、はじめまして。
私は中央署の、
主にストーカー犯罪を担当している
山本ミコといいます、
どうぞ宜しく」


「僕は、同じく中央署の高橋、
これから、咲希さんに起きてることを
話すから、よく聞いててな」


少し柔らかい話し方で、緊張してる俺を思いやってくれているようだった。


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