大奥物語−総取締役お永の局−



−側室広間−


「失礼致します、
お津江の方様………」


「はい………」


お津江はゆっくりと、
その場を立った。


「上様からお声掛が………」


そう、
お津江は聞くと、


「えぇ………
直ぐに支度致します。」


お津江は、
既に分かっていたかのように、
女中にそう返事をした。


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