幸せの選択
私が何も言わないことを、謝罪の拒否と取ったのだろう。
弘之は、その場から素早く立ち去って行った。



一度も止まることなく、振り返ることなく……





関係を断ち切ることを、最後まで躊躇していたのは私だった。
決断できない私を、弘之が突っぱねてくれた。


それだけで、十分だよ弘之








「帰ろう」



空には、雲の切れ間から陽が差し込んでいるのに私の心の中は、どこまでも曇ったまま淀んでいた。



重たくなった足取りを、どうにか帰路に向けて歩き出した。




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