大切なもの
第一章・出会い 入学式~GW期間くらいまで
2006年4月7日。




私、小川ゆきは今日から東中学校の1年生。



…生まれて初めて袖を通す制服。


東中学校の制服、同じ小学校の友達はみんなダサいと言うし、自分もそう思う。けれども、


初めて着る制服に少し心躍らせていた。


胸より少し長いくらいの髪を、黒いゴムで二つに結び、


そして少し長めの前髪を黒いピンであげて、


校則はとても厳しいという噂だけど、胸ポケットには個性を少しだけでも出すために
何の目立ちもしない黒いピンを、2本挿して、


膝より長い、重たい紺のスカートの長さをチェック。


「やっぱり制服ダサいよな…嫌だなあ。」


と、ぶつぶつ言ってるとお母さんが


「やっぱり背が高いから似合うね~しかも制服ピカピカだから可愛くみえるよ!」


とフォローしてくれた。


「…わかったよ、お世辞はいいからっ。じゃ、行って来るね」


「お母さんも準備が出来たら追いかけるから」


そう言い家を後にした。






校門についたら、制服姿の小学校の頃の心友の1人、実桜(みお)の姿が。


「ゆき~おはよう!!久しぶり!!」


「実桜とはおととい遊んだ気がするんだけどな…(笑)」


「今日から中学生なんだから、新鮮に感じてるの!それより、こっちに1年生のクラス発表があるよ!」


「あっ、うんわかったー!」



かなりドキドキしながらもクラス表を覗く。

東中学校の1年生は6クラス編成だ。



「うーん…どこかなあ…」


「あっ、実桜あった!実桜は3組やあ」


「…私は4組だ。しかも千穂(ちほ)1組で里愛(りあ)6組だね」



千穂と里愛とは同じく小学校の頃の心友。


4人とも見事にクラスがバラバラだ。


「実桜と私が、体育の授業は、2クラス合同でするから一緒なくらいで、後みんな全部ばらばらだあ;;」


「うんそうだね…じゃあ実桜、同じクラスの友達探してみる!」


「あ…私もそれじゃ!またね!!」




実桜行動早いな…そんなことを一瞬だけ考えたが、


実桜が去った後にすぐもう一度4組のクラス表を覗いた。



すると見覚えのある名前が視界に入った。


「あっ…渚(なぎさ)がいるじゃん」


渚とは小学校の頃一緒にソフトボール部に入っていた仲間。


小6の時クラスが違ったから、あまり話す機会はなかったけど、一緒のクラスということがわかった瞬間、私は渚を探しに足が動いていた。


「渚…あ!!いた!」


「ゆきー!!!」


その後に渚は、クラスが一緒だからゆきを探してたんで。と言葉を続ける。


渚は、制服に似合う上品な2つ結びが様になっていた。


「渚って中学生らしいねっ!」


「ゆきも制服似合ってるよっ♪」




他にも春休み勉強した?などくだらない話をしながら1年4組へと足を運んだ。






…教室に入ろうとしたその時。
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