Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「…もしかして、ジェラシー?」

「何が」

「“俺の知らねェあいつを、テメェは知ってんのか”ってな」

「ふざけんな」

「ハイハイ」


 う~…、とレンが歯軋りすると、声が聞こえてくる。


「…またミサトは…トラブル抱え込んでくるのは勘弁しろって、いつも言ってるだろう」

「いつものことでしょ」


 いつか見た、医療設備が整った部屋。

 そこに、ヤキト リ屋のオヤジはいた。

 久しぶり、の挨拶もなしにミサトはそこらへんにあった椅子を引き寄せると、オヤジの目の前に座る。


「ある人物について、聞きたいことがあるの」

「…ある人物?」

「“ホン・チャンヤー”の前のボスのこと」

「そんなヤツは知らん」


 そんなやりとりを、エイジとレンは壁にもたれかかりな がら静かに見つめている。
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