Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「…で?」


 煙を吐きながら、エイジは言った。

 目の前には、数えきれない程の銃口がこちらに向けられている。

 その中心にいるのは。


「久しぶりだな」

「登場するのがちと、早すぎやしねェか?」

「あの女を助ける為にここに来るのは判っていた。だから、わざわざこちらから追い掛けることもないと思ってな」

「ユイのいない隙をついてこのビルを乗っ取ってから急に仕事熱心になったな、ロン」


 エイジはロンを睨み付ける。


「ありがたい誉め言葉として、受け取っておくよ」


 嘲笑を浮かべ、ロンは答えた。
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