Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】

【2】

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 時計を持つ習慣がなかったので、正確な時間は分からなかったが、太陽の光はもう大分西に傾いていた。

 カウンターに座り、転寝(うたたね)を貪っていたレンは、ふと目を覚ます。

 テーブルの上には、例の手紙が置きっぱなしになっていた。

 隙間風に煽られて、それがぱさりと床に落ちる。


「………」


 半分寝呆けたまま、レンはその手紙を拾いあげた。

 今頃、エイジはもうここに書いてある場所に到着している筈だ。

 今、自分はとりあえずここで、ミサトを待つしかない。
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