Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】

【4】

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「組織の状況がそんなに切羽詰まってるなら、一言言ってくれればよかったのに」


 ホン・チャンヤー本部に向かう車の中で、ミサトは言った。


「言ってもどうにもならないでしょ。それともあなたがわたしと代わってくれるの?」

「…いえ、遠慮しときます」


 そんなミサトを見て、ユイはくすっと笑う。


「でもまあ、確かに切羽詰まってるわね。もう、私の力じゃ押さえられないかも…」


 それぞれ権力をつけてきた組織の幹部が、思い思いの行動を起こしているのだそうだ。

 このまま行けば、内部分裂は必至だった。
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