人魚姫
        

ある日の波の上。

大きなモノを見つけた。
その大きなモノの上に人間を見つけた。

人魚は、目が離せなくなった。


なんだか解らないけれど…
忘れられなくなった。


朝。


もうその大きなモノと
人間の姿はなかった。


         *


人間にも
魚にも
なれなかった…それが人魚。

あの時、出逢った王子様は、人間だった。
人魚は昔、碧い星の王子様に恋をした。


でも
それは
叶うコトのない恋だった。

それはやっぱり…

王子様は人間で、
人魚は人間になり切れていなかったから。


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