オレンジジュース~俺と一人の生徒~
俺は直の家の前で直の窓を見上げた。
まだ暗い直の部屋。
この窓から、直は空を見たり、月を見たり、星を見たりしてるんだな。
そして、俺を想ってくれてるのか。
この窓から、俺を…
―――ピンポーン
「おお!どうした?直は、まだ帰ってないぞ!?みんなで和人君の家に行くって喜んでたけど、喧嘩でもしたか?」
俺を笑顔で迎えてくれたお父さん。
直がいないのに、俺を家へと入れてくれて、リビングでコーヒーを飲んだ。