オレンジジュース~俺と一人の生徒~
嫌いになった?
もう俺を信じられない?
そうだよな・・・
もっと早く言うべきだった。
「せんせ・・・あれ、見て・・・」
直が、音楽室の黒板を指差した。
そこには、こう書かれていた。
『春の日 夏の日 恋の日 切なく苦しい恋
だけど 人は恋をする
信じることが どれほど人を強くするか
恋をした人しか知らない』
誰の詩なのかわからないが、今の俺と直にとって、とても意味のある詩だった。
俺は黒板に向かってゆっくりと歩き出した。
俺は期待していた。
歩き出した俺の背中に直が抱きついてきてくれること。
俺を追いかけてきてくれることを。
でも、直は俺が離れて行っても、追いかけてはくれなかった。