オレンジジュース~俺と一人の生徒~



俺はそれ以上強く、手を握ることができなかった。




『どうして俺の目を見ないんだ?』と、聞くことができなかった。





俺は、暖房を少し強めた。



「寒くない?」


「うん、大丈夫。」




いつも通りの質問にいつも通りの答え。



何も変わらないよな、俺達。



何、不安になってんだ、俺。





明日の待ち合わせ場所を決めようか、と言いかけた時だった。









俺のポケットの中で携帯が鳴った。









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