オレンジジュース~俺と一人の生徒~



昼休み、食堂で見かけた直は元気に友達と話していた。



声がかけられなかった。




最終手段・・・


俺が向かったのは放送室。



放送委員の男子生徒に頼んで、校内放送で直を呼び出した。




『2年5組の矢沢さん、至急職員室までお越しください。』




直、ごめんなぁ。


恥ずかしい想いさせて。



怒ってくれよ、直。



『先生、ひどい!!』って俺の背中叩いてくれよ。





職員室で直を待っている時間がとても長く感じた。



「失礼します・・・」



寒そうにマフラーを巻いた直が職員室に入ってきた。



きょろきょろと部屋を見回す姿がかわいい。





「あ、呼び出したの、俺です!」





直は驚いたような表情で、俺を見た後、うつむいた。




「日誌持って来てくれたのはいいけど・・・白紙だったぞ!」




俺は直の頭をコツンと叩く。





見上げた直を抱きしめたくなる。


どうしようもなく、愛しいよ。




「今から教官室戻って、書き直し~!」




俺がニヤリと笑うと、直も笑って、俺の後ろを歩いた。






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