オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「補習のことも書いてくれよ・・・」
補習・・・
俺と直の秘密の補習。
やっぱり無理だ。
忘れるなんて。
こんなにも鮮明に覚えてる。
直との日々・・・
無理だよ。
忘れるなんて。
俺にとって、直は特別なんだ。
「補習の内容は・・・夜景」
直は、小さな声でそう言いながら、文字を書いた。
「その後は・・・更衣室でエロエロ補習・・・なんてな」
俺は書き足した。
直は、俺を見上げて笑い出す。
もし2人きりだったら、間違いなく抱きしめていた。
今、直は・・・彼女の顔をした。
あの時と同じ笑顔で・・・俺を見つめた。
「消さないで・・・大事な思い出だから・・・」
消しゴムで消そうとする直の手を止めた。
手が触れた。