オレンジジュース~俺と一人の生徒~


「補習のことも書いてくれよ・・・」




補習・・・


俺と直の秘密の補習。





やっぱり無理だ。



忘れるなんて。




こんなにも鮮明に覚えてる。



直との日々・・・





無理だよ。


忘れるなんて。



俺にとって、直は特別なんだ。




「補習の内容は・・・夜景」




直は、小さな声でそう言いながら、文字を書いた。




「その後は・・・更衣室でエロエロ補習・・・なんてな」




俺は書き足した。


直は、俺を見上げて笑い出す。




もし2人きりだったら、間違いなく抱きしめていた。



今、直は・・・彼女の顔をした。




あの時と同じ笑顔で・・・俺を見つめた。




「消さないで・・・大事な思い出だから・・・」



消しゴムで消そうとする直の手を止めた。



手が触れた。




< 400 / 455 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop