オレンジジュース~俺と一人の生徒~


「今、頭の中にある自分の将来のイメージを書いてみろぉ~!適当でいいから。どでかい夢でもいい。ありえないようなことでもいいから」




覗き込んだ男子生徒のアンケートには総理大臣と書かれていた。



それでいい。


無理だなんて、誰が決める?



なるかも知れない。


可能性は誰にでもある。




「じゃ~俺、サッカー選手!」



そう言って笑ったのは、親からサッカーをやめるように言われて悩んでいる生徒だった。


サッカーばかりしているから成績が悪いと怒られたと言うので、先週家庭訪問に行った。



サッカーをやめさせて、その時間勉強したからと言って、どれほど成績が変わるだろう。



もしも成績が上がったとしても、彼の中で「無理矢理やりたいことをあきらめた」って気持ちがずっと残って、家族の関係にもひびが入るだろう。


そして、親の言うことを聞いてサッカーをやめた自分を嫌いになるかも知れない。



何かに打ち込めるってすごいこと。


それが勉強でもスポーツでも、楽器でも、ダンスでも何でもいい。



夢中になれる何かがあるってすごいことなんだって自信を持って欲しい。




今、何もやりたいことがなくて、悩んでいる生徒も多い。



俺は言う。



『いつか嫌でもやりたいことが出てくる』って。




< 412 / 455 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop