オレンジジュース~俺と一人の生徒~
俺は直のおすすめのチョコパンと明日の朝食に食べるパンを買った。
直がいるせいか、このパン屋はとても居心地が良い。
「おつりいらないから、後でコーヒー買ってきて」
俺は車に戻り、直のバイトが終わるのを待った。
どう言えば、寂しくない?
何て言えば、不安にさせない?
俺は、パンをかじりながら何度も何度も
同じセリフを頭の中で繰り返した。
―離れていても心はひとつだろ?
もしも、2人の関係が学校にバレて、大問題になったら、
俺は逃げも隠れもせずに罪を償おうと思う。
直は何も悪くない。
悪いのは俺だから。
俺が勝手に直に恋をして、言い寄ったことにする。
だから、直は無事に卒業して。