オオカミ系幼なじみと同居中。
夜はお洒落なBARになってるんだ…
初めて知ったな。
あたしが店の中にも入らず、小さなウェルカム・ボードを見つめていると不意にその足元に影が落ちた。
「入らないの?」
声を掛けられ、ビクッと振り返る。
あたしは不思議そうに覗き込んでいる男の人と目が合った。
「え…」
「だから。中、入んない?」
その人は、もう一度言うとお店のドアを指差した。
「あー…あの」
どどど…どうしよっ!!
あたし、あきらかに変な人だよね!?
ん?
よく見ると、目の前の男の人はこのお店で働いているらしい。
白いシャツに黒のパンツ姿で、エプロンを身に付けている。
年は…20代後半だろうか。
落ち着いた大人の雰囲気がある。
あたしがあたふたしていると、にっこり笑った。
「中に入れない理由があるの?」
そう言って、あたしの顔をジッと見つめた。
そして急にハッとした顔をしてまたにっこり笑った。
「ま。とにかく入んなよ」
「え?…あっでもあたし…」
あたしの言葉を無視して、その人はあたしを店内に連れこんだ。
ぎゃー!!!
今バレたら潜入調査になんないじゃん!!