オオカミ系幼なじみと同居中。

・以心伝心の反対。


薄暗い夜道。

あたしの足音と、もう一つ。

要の足音が響く。





はあ……。


結局あたし、なにしに行ったのかな。
思い切って家を飛び出したわりに、すぐ見つかっちゃったわけだし。

あれからすぐに、私服に着替えた要があたしの前に現れた。
 

『帰るぞ』

『はっ、はい』


そう言った要は、慣れた手つきであたしのかばんを持つとさっさとお店を出た。


そして……。


要の後ろをトボトボと着いていく。




要は振り返えりもしないでただ、黙々と歩いていく。


やっぱり怒ってるんだ。
そりゃ、そうだよね。

あたしのした事は、まるでストーカーだ。
こんな事されて気持ちいい人はいないだろう。




あたしは要を見上げた。




振り返りはしなくても、しっかりとあたしの足音に耳を傾けて、あたしの重い足取りに合わせてくれている。



それがわかるからこそ、あたしは胸が苦しくて堪らなかった。


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