オオカミ系幼なじみと同居中。

クリスマス当日……――


今日は朝からすごく寒かった。
テレビのニュースでは「もしかしたホワイトクリスマスになるかも」なんて言っていた。


でも、あたし達が住んでいる地域は毎年1月の終り頃に雪が降る事が多かった。




「雪…降るかな」



あたしは暖かい部屋の中から、ぼんやりと外を眺めた。


どんよりと重たい雲の絨毯が空一面に張り巡らされている。




あたしはそこから視線を逸らすと、テーブルの上を見た。
そこには赤と青のリボンでラッピングされた緑色の四角い箱が遠慮がちに存在してる。




「………」




暫くその箱を、あたしは時間がたつのも忘れてしまうくらい見つめていたようだった。






時計に目をやると、針は5時を回ろうとしていた。



旬との約束の時間まで1時間をきってる。






あたし………

どうしたいの?







自分の胸に手を置いて、あたしはそっと瞼を閉じた。





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