黒姫
序章

あの頃、私だって泣きたかった。笑いたかった。

そんな当たり前の感情さえ飲み込んで、生きて。


『死んでもいい』なんて、嘘の笑顔を張り付けた。


そのくせ、本当は生きていたかった。




今は、幸せだ。


泣いてもいいよ、って言ってくれる“家族”がいる。

一緒に笑ってくれる“家族”がいる。


“家族”がいるから、私は今も生きている。





これ以上の幸せは望まない。

だからこれ以上、私から奪っていかないで。


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