黒姫

すっ、と瑞姫が口を開いたのは、クラスメートにとっては予想外もいいところだったのだろう。


「水、迷惑。自分で拭いてくれる?」


淡々と告げた瑞姫を見るクラスメートは、驚愕に目を見開いていた。


「な、何言って……」
「5限が始まるまでに元に戻ってなかったら、先生に言わざるを得ないので」



こんなに長い言葉を、自発的に発したのは初めてかもしれない。
そんなことを思いながら、ジャージに着替えるべく、瑞姫は教室を出た。

3日間連続で昼休みに教室を出るのは珍しい、と頭の片隅でぼんやり思った。

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