黒姫

結局、その日の授業が終わるまで、不気味なまでに何も無かった。
今か今かと構えていた昼休みにすら何も無かったのに拍子抜けし、さあ帰ろうと鞄を手に持ち視線を上げた。


「……何か?」


椅子に座っていた瑞姫を見下ろすように、クラスメートの女子が2人。
瑞姫が低く問い掛けると、甘ったるく間延びした声で瑞姫の腕を取った。


「ねぇ黒瀬さぁん。ちょっと来てほしいところがあるのよぉ」
「暇よねぇ? 私たちと一緒に行きましょぉ」


浮かべた笑みはニタリと厭らしく、わざとらしい口調は瑞姫を苛立たせた。

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