左利きの君へ


さっきの子…誰?

こんなに短い言葉なのに。

その言葉を切り出す勇気が
私にはない。

変な事なんてないと思う。
だけど、もしかしたら、
もしかしたら。って…

「和香?どうしたの?ボーッとして」

「えっ?あー。何でもないよ」

やばいやばい。
考えすぎて無言になってたよ。

「あー、あ!今日は、いろんな人に
話しかけられて疲れたよ!」

サクが伸びをしながら言ってきた。

確かに…ずっと周りに誰かいた。

「お疲れ様です!」

「おー!」

サクが笑顔で答える。

それにしたってなんだろう。

この胸の高鳴りは…
< 12 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop