あたしが見た世界Ⅲ【完】




あたしにはその間の、10ヶ月間の記憶がない。




ここの医者曰く、精神的なショックが大きすぎる為だ、ということらしい。




リュウ兄と隼人があたしの病室を出て行った後、あたしはベットに入った。




「…………………」




天井をぼんやり見ながら息をつく。




そんな話を聞いてあたしの頭はパンク寸前だった。




「……………」




父さんと母さんが死んでいる。




そして、夜一も。




「………っ…」




今まで何十人と殺してきたくせに、知っている人が死ぬのは嫌だ。




ツツゥーと頬に涙が伝った。






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