黒羽の裏切り
それだけ怒鳴り散らして、ゼロに背を向け、一目散にその場から離れた。







しかし、当然ゼロのスピードにはかなうわけなく・・・・






すぐに腕をつかまれた。




「おい、待てよ。勝手に逃げれると思うな。」




背後から低いうなり声のようなのが聞こえる。



あきらかに怒っている証拠だ。




「はなし・・てっ!」




「お前、いいのかよ、消されても。

そんなにこっちの世界の知識を蓄えときながら仕事もしないとか・・・・


絶対消されんぞ。


それでも・・・いいわけ?」



「いいよ、別に。勝手に消せばいいじゃん!

そんな心もないような、人間をただのターゲットとか、ノルマとかにしか思えないような生き物になるんだったら消えたほうが何倍もマシだし。

いいからもう離してっ

帰るっていってるでしょ!」



そうわめき散らしながら、後ろを振り向くと、ただただ無表情でこっちをみるゼロがいた。




目は相変わらず漆黒で・・・・



なにも語ってはこない。



表情からは、怖いくらいに何も読み取れないし。




だけど・・・・



不覚にもやっぱりかっこいいと思ってしまった。




悪魔だからなんだろうけど・・・


本当に怖いくらい整ってしまっている。
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