黒羽の裏切り
「ああー、じゃあそれが前から皆が騒いでいた任務っていうやつ?」



「うん、そう。

そしてこれ、が欲望の玉。


この玉を人間に与えていけばいいってわけ。」


みると、ゼロの手のひらの中に紫の玉のようなものが光っていた。



「え、与えていくって…?」


「とりあえず、いまから見せるからよく見てろ。」



それだけいうと、ゼロは勢いよく一人の中年のサラリーマンのほうへと飛んで行った。




その人の、発光している色は、紫のような、青のような、不思議な色。



その人の頭上で止まると、ゼロはゆっくりと手に持っていた玉を頭の上に落とした。




驚くことに、すーっとその玉はおっさんの中に入っていく。




特におっさんの表情からしてなにも変わったことはないが、


身体から発光が消えている。



その一連の出来事を目を丸くしながら見ていれば、いつのまにかゼロはこっちに戻ってきていた。
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