”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
かろうじて意味がとれた。
「さんびか。
306は嫌・・と・・・言っていなかった」
葬送の時に使用する讃美歌。
フェリックスは弾けるように笑い出した。
緊張の反動もあったのかもしれない。
綺樹は笑い声を聞き、少し眉上げる様子をみせてから、再び目を閉じた。
モニターで心拍と血圧を確認して、フェリックスは廊下に出た。
「さて、女王。
相談がある」
意気揚々とした調子で、フェリックスは笑みを浮かべ、そう言った。