青空バスケ―another story―
愛を伝える日
陽斗side

今日は男子も女子もどこかソワソワ。

ウチの部員の一人もソワソワ……っていうか、怪しい動きをしてる。


「侑哉……あれ何?」

「見ない方がいい。
俺達は赤の他人だ」


ロッカーにずっと頭を打ち付けてるイツ……。

とうとうおかしくなった……?


「イツ先輩!
そこ、俺のロッカーっす!」


拓哉が必死に叫ぶ。


自分のロッカーじゃなかったのかよ……。


頭を打ち付けながら話しかけてほしそうにチラチラこっちを見る。


何なんだ……アイツは。


無視しようかと思ったけど、このままだと拓哉が可哀想なので、仕方なく話しかけた。


「イツ、何し……」

「よく聞いてくれた!ハル!」


いや、まだ聞いてないし……。


「ハル、今日は何の日でしょうか!」

「バレンタイン」

「ブー!!
違う!いや、合ってるけど……でも、違う!」


合ってるならいいじゃん……。


やっぱり絡まなきゃよかったか……。


助けを求めて侑哉を見ると、可哀想なものを見る目で俺を見ていた。


助ける気ナシですか……。


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