青空バスケ―another story―
最後のデート
七海side

あの日から……あたし達は本当にずっと一緒にいた。

少しの間でも離れたくなくて……少しでも多くハル君の温もりに触れていたくて……。

……自然と別れの日のことは話題に出なかった。

話すのは他愛もない学校での出来事。

お互いの友達のこと。


……二人でいる間だけは笑っていたかったから。

暗い話は……出したくなかった。


「……七海。
明日、どっか行こっか」

「どっかって……どこ?」


それに明日は……。


「んー……それはその時の気分に任せる」

「自由だね、ハル君」

「でも……七海の行きたいとこに行く」

「え………」

「だから、ちゃんと考えておくこと」


そう笑って、あたしの頭をポンポンと優しく撫でる。


……明日はあたしが飛び立つ前日。


だからなの……?

最後のデートってこと……?


……そう思うと、胸が苦しくなった。



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