In the warm rain【Brack☆Jack3】

【2】

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 エアポートに降り立ったエイジは、タバコをくわえながらようやく見つけた喫煙所でライターを取り出し、火を点けた。

 最近は飛行機の中だろうが公共の施設だろうが、とにかくどこもかしこもタバコを吸う場所が少なくて困る。

 しかも、ダウンタウンを見慣れているはずなのに、先進国のはずのこの国の空はそれ以上に淀んでいて、いつ来ても狭苦しい感じがする。

 エイジはこの国を、あまり好きにはなれなかった。


「さァてと」


 ようやく落ち着いたところで、エイジはエアポートをあとにした。

 とりあえず、向かう場所は決まっている。
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