In the warm rain【Brack☆Jack3】
「昔とった杵柄っていうか…私もこうやって息抜きしたいのよ、たまには」

「それはいいがな。俺の全財産、取らないでくれよ」

「大丈夫、半分くらいにしておくわ」


 くすくす笑いながら、ユイは言った。


「レンは?」

「あいつなら今頃、情緒不安定なお嬢さんの相手をしてるさ」

「ぴったりの役目よね」

「まァな。で、今日俺はどんな役目をすればいいのかな?」


 タバコをくわえて、エイジは上目遣いにユイを見つめた。


「…意見を、聞かせて欲しいの」


 ユイは、四つに折り畳んだ紙きれをエイジの前に置いた。

 エイジはそれを手に取り、中身を読む。


「これは?」

「私のオフィスに届いたメールをプリントアウトしたの。気にしなければそのまま聞き流してもいい内容なんだ けど」


 エイジは微かに眉をしかめた。

 その内容は、ユイが言 うように“取るに足らない”内容ではあるのだが。
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