詩集

2011


『春』

美しく地に咲く桃色は
 視界に入ると儚く散り行く

翼で空を飛ぶ歌声は
 耳に届くと雑音と化す

爽やかな風が運ぶ多種の香は
 嗅覚で感じるとむず痒くなる

心休まらない一時
その花を見上げて何を思う



勝手に咲き誇る桃色は
 目にも止まらず美しく舞う

うるさく飛び立つ鳥たちは
 つがいとなって高らかに鳴く

空気に溶ける強い香は
 胸中に蒔かれた美しき種

安らかなその一時
その花を見上げて何を思う
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