らぶ・みー 
今日から、パン教室の後の待ち合わせ場所を変えた。

人目につかない場所という訳ではないけれど、ゆっくり話したいし、誰かに気づかれても自然に見えるよう、誕生日を祝ってもらったカフェで、先に来た方が待っているように決めた。

さっき作ったロールケーキの箱を手に、カフェに向かって歩いて行くと、ガラス越しに彼の姿が目に入った。

嬉しくて頬が緩みかけた時に、聞き憶えのある声が、私の名前を呼んだ。



「雪乃さん。」



恐る恐る振り返ると、声の主は思った通り、相馬さんだった。

いきなり過ぎて、動揺してしまう。



「この間はどうも。今日は郵便局じゃないのね。」

「.....はい。」
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