らぶ・みー 
カフェを出ると、彼は私の手を引いて、すぐ近くのパーキングまで足早に歩き、助手席のドアを開けた。

シートの上に、手のひらサイズの小さなブーケが置いてある。

ピンクの花だけを使った、色のグラデーションが可愛いブーケだ。



「パン教室終了記念。今まで頑張ったご褒美。」

「可愛い.....ありがとう。」

「本当はもっと豪華にしたかったけど、あんま目立つと家に持って帰った後、困るかなって.....。」

「うん。この方がいい。」

「雪乃がパン教室に来てなかったら、俺たち、出会ってないでしょ?だから、これって特別なことだなと思って。」

「そうだね。」



彼が私にしてくれることは、いつも思いやりに溢れている。

こんなに優しい気持ちをたくさん受け取っているのに、私は彼に何かを返せているのかな?

上手く愛せているのかな.......?
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