らぶ・みー 
通された部屋は、デイユースだからか、この前よりだいぶ下の階だったけど、あの時と部屋の内装はほぼ同じだった。

あの日、ドキドキしながら此処に来たことを思い出し、胸がキュンとなる。

あの時はまだ、彼の前で自分をすべてさらけ出すことに戸惑い、本気で愛してしまうのが怖いと思っていた。

なのに、今、私は「本気で愛している」から別れようとしている。

さよならの前に、できるだけ多く彼の記憶を刻みつけようとしている.......



今日からお別れの日まで、彼に涙を見せるのはやめようと思ったのに、ジワジワと涙がこみ上げてくる。

あんまり泣いていたら、私の決心を彼に気付かれしまう。

頑張れ、私.....泣いちゃダメ。

こんな状態では、先が思いやられる。
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