らぶ・みー 
誰かを好きになって、その人のためにこんなに泣いたのは初めてだ。

出会って間もないのに、こんなに深く思ってもらえたのも、思ったのも。

最初から遊びのつもりで、「浮気」とか「不倫」とか、簡単に割り切ってしまえるのなら、もっと楽しくやっていけるのかもしれない。

でも、私たち二人はそうするには余りにも不器用で、知らず知らずのうちに本気で恋をしてしまったのだ。



「好きだよ。」

「私も。」



やっと言えた。嬉しい。

ちゃんと伝えられた。

彼の目を見て、言えた.......



彼の腕の中はとても心地よくて、こうしている間はいろんなことを忘れていられる気がした。

どちらともなく自然と唇が近づき、お互いの気持ちを確かめ合うように何度もキスを繰り返すうち、私の中に覚悟のようなものが生まれていくのを感じた。



今思えば、この日が、切ない恋の本当の始まりだったのかもしれない.......
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