*9月26日* ―それでも君が好き―
砂依に 協力してと言われたことはない。
私が勝手に 協力しなくちゃって思っているだけで 何も言われないことに少し寂しさも感じていた。
だが 私が相澤くんに話しかけられる度に 何か思い悩むような顔をするので 沈黙という訴えなのかと解釈することもできるわけで。
どこまでやっていいのかよく分からなかった。
ここは1つ 突っ込んだ事を聞いてみるのもいいかもしれない。
「…相澤くんと どうなの?」
何て返ってくるかな。
だけど 何か相澤くんの話を砂依から聞いてみたい。
そう思い考えていたら 気付くと一限は終わってしまった。
当然の如く私の所に歩み寄ってきてくれる砂依。
「ごめん 私委員あるから行ってくる!!」そう言って教室を駆け出していった夏架。
「奈穂と2人とか新鮮だね。」
「うん だね。」
まだ書き写していなかったノートをとりながら 砂依を横目にみる。
ぼーっと 何やら考えているみたいだった。
もしかしたら砂依は 私が気が付かなかっただけで いつもこんな顔をしていたのかもしれない。
寂しそうに 何か考え込むような。
「……砂依?」
「ん?」
いつもの笑顔なのに どこか悲しげに見えるのは 気のせいかな?
「…相澤くんとどうなの?」