「恋」って何だろう。
ついに放課後はやってきた。



――ゴクリ。




私は唾を飲む。




緊張していて、心臓がヤバい。






よし。煌と小川さんの所へ行こう。



私は歩き出した。




みんなが下校した後の教室で、煌と小川さんを発見。




「煌!小川さん!あのっ!!私言いたいことがあるの!」




「何かしら、マメチビ。私たちに用があるなんて、嫌がらせされに来たようなもんよ?」




煌は私をにらんでいる。





「あ、あのっ!!私、煌とまた仲良くしたいよ!たとえ好きな人同じでも、親友でいようよ!小川さんも、友達になろうよ!!……いい?」




「いいわけないじゃん。人の好きな人奪ったくせに。調子乗ら…」



「奪ったのは煌の方じゃん!!私が西塚君のこと好きって言ったあとに煌はそう言ったんだし、私が先に西塚君と出会った!」




「うるさいうるさいうるさいっ!!カス女は黙ってろ!!私はっ……私はっ………グスンッ」




「き……らら?何で涙……」


涙ながらも、煌は話してくれた。



「……そうだよ。私は瑠花の後に西塚君に出会って好きになった。その時すでに西塚君は瑠花と仲が良かったから、私のこと眼中にないって思ったんだ。西塚君と瑠花見てるうちにその思いが強くなってきて、気がついたら怒りと妬みに変わってた。私って…汚い人だよね。そういう気持ちを晴らすために瑠花に嫌がらせやってたんだけど、瑠花はなかなか西塚君から離れなかった。こないだ、西塚君が泣いている瑠花を抱きしめて励ましているの見ちゃったんだ。私、その時今までの汚い気持ち全部飛んでった。やっぱり、西塚君と瑠花は優しい人どうし、お似合いだなって。親友と同じ人好きになってバカみたいに嫉妬して。ついには嫌がらせする人なんて、優しい西塚君には釣り合わないなって思った。 その日から西塚君を諦めたんだけど、他の西塚君のファンに『まだやれ』って言われたの。それで、今日までずっと大好きな親友の瑠花に嫌がらせしてきちゃって……………うぅっ…うっ…ご……めん…ね…?」




煌は大号泣した。



私も泣いた。



小川さんも泣いた。




「大丈夫だよ、煌。全部話してくれてありがとう。私も…ごめん………」



3人で泣いた。



わんわん泣いた。



2リットルのペットボトル何十本分くらいの涙を流した。




――これで、煌と親友に戻れる。




小川さんとも、友達だ。




良かった、無事仲直りすることが出来て。
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