「恋」って何だろう。
――入学式が終わった。明日の予定を先生が伝達すると、その場で解散となった。
帰り道。
「瑠花ぁ〜」

「お、煌どうしたの?」

「瑠花、もしかして西塚君のこと好き?」

「だーかーらー、違うよ!そもそも私は恋なんか――」

「……正直に言って。もし好きだったら私、絶対応援するから」

「……………うん。好きだよ…」

煌の目が輝いた。

「とうとう恋したんだね、瑠花!!あぁ〜何だかこっちがドキドキするぅ〜」

「…うる………さい」

「席近いんだから、アピールめっちゃできるじゃん!!頑張れ♪とりあえず瑠花から喋り――」

「もう黙って…限界…」

「あ、あぁ!ごめん…」

騒ぎすぎて、周りの人はみんなこっちを見ていた。恥ずかしい…煌がその冷たい視線に気づかないのがすごい。
まあ、たまには相談してみよう。騒がれない程度に。
「永原さん!」

「ふぇえ!?」
急に名前を呼ばれてビックリした。後ろには、私の好きな西塚君がいる。

「おう、西塚くーん!!私、同じクラスの工藤だよ♪」
「そうなんだ!!よろしく」
やっぱり笑顔まぶしいっ…!心臓が……息が……私は慌てて深呼吸をした。

「永原さんって、ここらへんに住んでるの?」

「うん、川の結構近くに」
「へぇ〜。俺は川にはちょっと遠いかなぁ。工藤さんは?」

「私は、 瑠花の家のずっと先だよ♪」

「小学校の時は私たち、いつも一緒に登下校してたよね」

「うん♪懐かしいなあ〜」
「へぇ〜。あ、俺ここ曲がるから。じゃあな!!また明日!」

「「バイバーイ!」」

西塚君は帰り道を走っていった。

「いいんじゃない、結構(ニッコリ)」

「うーんそうかなぁ…」

「明日からどんどんアピっちゃいな♪頑張れ!」

「はいっ!頑張ります、師匠!!」

ノリでそう言うと、煌は爆笑。
私は煌と、楽しみながらそれぞれの家へと帰っていった。

――西塚君と仲良くなれますように。
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