華-ハナ-
真実
.


リビングに入り、舜と川越さんはさっきと同じ位置に座った。


あたしはキッチンへ向かい、お茶の準備をする。



淹れたお茶をローテーブルに並べてから、あたしも舜の隣に腰かけた。


その場は凄く静かで、先に座っていた二人には、ほとんど会話はなかったみたいだ。


川越さんは、「いただきます」と小さく呟いてから、置かれたばかりのお茶を手にした。


その様子を視界に入れながらも、少し先にあるお母さんの遺影が、自然と目に入ってくる。


やさしく微笑んでいるその瞳は、何かを訴えているようにも思える。


何から話せばいいんだろう。


川越さんは、お母さんがあたしの命と引き換えに亡くなったことを、どう思っているんだろう。


正直、今のあたしには、その事しか頭の中にはなかった。
< 199 / 247 >

この作品をシェア

pagetop