溺愛兄に囲まれて。



気付けば私は高城さんに抱きしめられていた。


「…ごめん、気付けなくて…!ごめん、那月、優那…!」


それは、私とお母さんに宛てられた謝罪だった。


「…っ、いいよ、おとう、さん…!」


涙があふれた。


1回流れたらもう止まらなくて―


「ひっく…っく…ぐす…っ」


それは子供のように泣いてしまった。


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