無自覚な彼の誘惑


「おはようっ♪」



『…あ、おはよう』



「……ん?どうしたの?
あたしの顔に何か付いてる?」



『…いや、ずいぶん楽しそうだなと思って』



「え、そうかな?」



『…うん。魚を目の前にしたサメのような』



「……それは分かりにくいかな。そしてさりげなくけなしてるよね?」





....ちゅっ。





「……え、なに。急に…!?」



『…今のは俺のこと。随分と美味しそうな笑顔があると思って。まさにエサを目の前にしたサメのようだ』



「…うん、嬉しいけど嬉しくない」




< 2 / 55 >

この作品をシェア

pagetop