ラピスラズリの恋人
相模とコーヒーを飲みながら時間を潰し、社員達が空港に到着するのを待つ。


1時間程経った頃、予定よりも早めに集まった社員達と搭乗手続きを済ませた。


「ようやく帰国出来ますね」


「ん?」


含みのある物言いをした相模に首を傾げると、彼が悪戯な笑みを浮かべた。


「少しでも早く帰国したかったのではないですか?専務、ずっと時間を気にされていますから」


無意識だった自分自身の行動と相模の言葉に、思わず目を見開く。


「……いくら優秀とは言え、鋭敏な人間を傍に置くのも考え物だな。まぁ、お前の言葉を否定はしないが」


少しだけバツが悪くて眉を寄せると、彼はクスクスと笑っていた。


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