ただひとつ。Side Story
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カーテンを開くと、外の寒さを象徴するかのように…


窓は真っ白。




それを指でなぞりながら……


雫を垂らして描いてゆく、『絵』とはいえない絵…。




「日向(ひなた)?寒いからカーテン閉めて?」



「いや。」



「だーめ!」



ぷくっとむくれ面のその顔を両手で『サンドウィッチ』にしてやると……


私はその絵の奥に見える景色を…


じっと眺めた。



絶え間なく降り積もっていく雪に……


カタカタと窓を揺らす風。



「…大丈夫かなぁ…。」



思わず、そんな言葉がついて出た。



「……なに?」



「…何でもないよ。ホラ日向、ご飯食べよう。」



私は勢いよくカーテンを閉じると……



わざと明るく振る舞った。





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