恋に恋して恋をする。
涙が出るのは本物だ
朝、少し離れた所から奏くんの後ろ姿を見つける。


声をかける勇気がなくて、ノロノロと後ろを歩く。


下駄箱まで来て奏くんも私に気づいたようで、目が合った。



「あ、おはよ……」


「おはよー!」


かぶせ気味に言ってダッシュで靴を履き替えて教室へ向かった。


めっちゃ感じ悪いよ、私……


でも、どんな顔していいのかわかんない―――――





その後も何度か目が合ったのにずっとこんな調子で、 奏くんを避け続けて数日が過ぎた。


最近ではおはようも言わないし、目が合うことさえ少なくなってしまった―――


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