恋に恋して恋をする。
今日は天気がくもりなのもあって、屋上には私たちの他は2組だけだった。


話をするにはちょうどよかった。


「私が悪いの……」


さゆちゃんはお弁当を一口も食べずに涙目だった。


さゆちゃんの彼氏――コウタくんは、塾のクラスが一つ上に変わってしまって(さゆちゃんより頭いいって……)最近離ればなれになってしまったらしい。


他のクラスの子と楽しそうにしゃべっている彼を見て、さゆちゃんはすごくモヤモヤしてたんだって。


「楽しそうな彼を見て寂しかったんだと思う。離れて寂しいのは私だけなのかな?って……」
と、さゆちゃんは言った。


落ち込んでいたらコウタくんに「悩みでもあるの?」と聞かれたらしい。


でもさゆちゃんは言えなかった。
どう言っていいのかわからなかった。


「だから、つい、コウタくんに言ってもしょうがないって言っちゃって……」


「じゃあ、俺いらないね」と言い残して、コウタくんは帰ってしまったらしい。


「も…めんどっ…くさいって、思われた。きっと…」


さゆちゃんは我慢の限界なのか、子どもみたいに泣き出してしまった。


「さ~ゆ~……泣くなぁ」


つかさは小さな子をあやすみたいに頭をなでた。


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