Special Edition


俺の腕の中で美しい寝顔を見せる杏花。


彼女に対してだけは

『見飽きる』という言葉は

何の意味も持たない。



くるんとカールしたまつ毛に。


スッと小さな斜度を作る鼻に。


ほんのり桜色に色づいたモチモチの頬に。


柔らかい髪に埋もれている俺のお気に入りの耳に。


細くて触れるのも躊躇われる、杏花の急所ポイントの首に。


キュッと尖っている顎に。


そして……、


俺の名を呼んでくれ、


俺の理性をいとも簡単に奪い去る唇に。




俺は愛の足跡を残すかのように

唇を這わせて余韻に浸る。


夢の国へ誘われる……その時まで

彼女の寝顔を見続けていた。



 ありがとう  杏花

   ―――――――――愛してるよ



27歳の誕生日は、

生まれて初めて

『心から愛おしいと想える女性(妻)』と

愛に満ちた最高で濃密な時間を過ごした。



 ~FIN~


< 132 / 477 >

この作品をシェア

pagetop