Special Edition
「社長、そろそろお時間です」
「あぁ、分かった。すぐ準備する」
俺はジャケットを羽織りながら、
パソコンの電源を落とし、机上を片付けた。
「よし、行こう」
「はい」
俺は沢田と共にオフィスを後にした。
向かった先は、
杏花への『誕生日プレゼント』の受取りに。
“受取り”と言うと少し違うが、
俺にとっては同じ事だ。
着いた先は会社兼自宅から程近い
オフィス街にある、自社所有のビル。
実は俺と沢田は車では無く、歩いてここまで来た。
そして……―――……。
「ここに、最新の設備と……――……それからこの空間の雰囲気はコレで統一して、癒される空間を」
「はい、お任せ下さい」
「では、今後とも宜しくお願いします」
「承知致しました。此方こそ、何卒宜しくお願い致します」
俺はイメージを纏めたファイルを手渡し、軽く会釈。