Special Edition


「……バースデープレゼント」

「………ん?」


プレゼント?

店のことか??


俺が聞き返そうとすると、


「リクエスト……しちゃ……ダメ?////」

「へ?」


リクエスト……って?

欲しいモノがあるのか?


「ん、いいよ。言ってみ?」


暫く、黙ったままモジモジと。


恥かしそうにそっと呟いた。


「要………………を……」

「…………………ッ?!!」


ギュッとギュッときつく抱きつく杏花。


リクエストという名のおねだりは、

俺の心を鷲掴みにした一言。


欲しいモノを尋ねても、決して

出て来る事は無いと思っていた夢の言葉。


毎日、何度も耳にしているのに

今のこの時ばかりは、

言葉の重みの次元が違う。


俺は優しく彼女の髪を撫でて、


「仰せのままに……」


首元を覆う柔らかい彼女の髪を掻き分け

色白の美肌にそっと唇を這わせた。



杏花の24歳の誕生日。

彼女の夢をアシストした俺。

そして、彼女が望んだもう1つとは……。


杏花にとって『俺』が

無二の所有物なのかもしれない。


~FIN~

< 158 / 477 >

この作品をシェア

pagetop